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豊橋市民大学トラム 大学連携講座(第3回)を開催しました。

カテゴリ:公開講座・シンポジウム|掲載日:2013年02月12日

 豊橋技術科学大学では、2月9日(土)、平成24年度豊橋市民大学トラム 豊橋技術科学大学連携講座「日本の未来を支えるエネルギー問題解決への最前線」の第3回目を開催しました。今回は、機械工学系 伊﨑昌伸教授から「環境に優しい半導体製造技術」と題して講義が行われました。

 半導体素子の製造には、化学蒸着(CVD)法、マグネトロンスパッタリング法、レーザーアブレージョン法ならびに分子線エピタキシー(MBE)法などの乾式(真空製膜)法が活用され、磁性体膜も含めた電子セラミックス膜製造方法として発展していますが、半導体素子の高性能化に伴い、装置は複雑・巨大化し高価になると共に、使用原料も複雑・高価になり、大量のエネルギーを消費し、CO2を排出するシステムとなっています。
 一方、環境負荷が少なく安価な機能性薄膜合成法として水溶液からの電気化学的製膜法が注目されており、本講義では,水溶液から酸化物半導体を形成するための電気化学プロセスとそれを設計するための化学熱力学的側面について述べた後,硝酸還元反応によるn型半導体酸化亜鉛ならびに強磁性酸化鉄(マグネタイト)膜などの形成と特性について講義していただきました。また,n-ZnOとp-Cu2Oから構成される酸化物太陽電池の電気化学的形成と近年の高効率化の方針についても説明していただきました。

 今回の講座には35名の方にご参加いただき、参加者の方からは「太陽電池の変換効率の説明等、ホワイトボードを使った説明が大変、わかりやすかった。」との感想も寄せられました。また今回は、電気化学的製膜法によって太陽電池に用いる酸化物半導体を作るデモを間近で見ていただき、説明員の学生に盛んに質問される方もたくさんいらっしゃいました。

 なお、次回は2月16日(土)に第4回目「きっと役立つエネルギーの知識~基礎から太陽光創エネまで~」を開催します。講座修了後には太陽電池パネルや気象観測装置等の見学ツアーも実施予定ですので、是非、ご参加ください。

 次回、第4回の概要はこちらをご覧ください。

講義の様子

水溶液からの電気化学的製膜法のデモの様子