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平成24年度一般公開講座(第1回)を開催しました。

カテゴリ:公開講座・シンポジウム|掲載日:2012年11月12日

 豊橋技術科学大学では、11月9日(金)、平成24年度一般公開講座「シミュレーションで新しい世界を見、そして、予測する」の第1回目を開催しました。全6回の講座の初回となる今回は、機械工学系 飯田明由教授から「自動車周りの流れのシミュレーション」についての講義が行われました。

 自動車の燃費性能を向上させたり、風切り音などの空力騒音を抑制するためには、走行時の空気抵抗を少なくすることが必要不可欠になります。
 しかし自動車周りの空気の流れを、実際に風洞実験等によって確かめるためには、大規模な実験設備を用意するなど、莫大なコストがかかります。そのためコンピューター・シミュレーションにより空気の流れを解析することが求められており、本学の飯田教授のグループは他の大学や企業と共同で研究開発に取り組んでいるとのことでした。

 今回の講座では、なぜ空気抵抗が生じるのかといった空気力学の基礎から、コンピューター解析の手法まで、わかりやすく解説が行われました。
 シミュレーションの際には、自動車周りを細かなメッシュに区切り、メッシュのセルごとに計算を行うそうですが、自動車1台あたりのメッシュの交差点は約800億点もの数になり、それに対して膨大な計算量が発生します。日本が誇る最先端のスーパーコンピューター「京」を使うことにより自動車1台を丸ごとシミュレーションすることが可能となりつつありますが、実際の開発現場では、自動車全体を解析することはまだ難しく、現在は部分的な解析を行うのが一般的ということでした。次世代のスーパーコンピューター(エクサ・コンピューター)が実現されれば、熱や音などの自動車に関する複合的な物理現象を自動車一台丸ごとシミュレーションができると期待されています。

 今回の講座には40名の方に参加いただき、講義後には聴講者から技術的に踏み込んだ質問が幾つか寄せられ、終了後も講師に個別に質問される方もいらっしゃるなど盛況でした。

 なお、次回は11月16日(金)に第2回目「環境問題のシミュレーション」を開催します。引き続き受講申込を受付中ですので、お気軽にご参加ください。

※第6回までの講座の詳細は、一般公開講座チラシ(PDF、583KB)をご参照ください。
 (ご希望の1回のみの申込みも可能です。)