2012年11月アーカイブ

平成24年度一般公開講座(第2回)を開催しました。

 豊橋技術科学大学では、11月16日(金)、平成24年度一般公開講座「シミュレーションで新しい世界を見、そして、予測する」の第2回目を開催しました。今回は、環境・生命工学系 後藤尚弘准教授から「環境問題のシミュレーション」についての講義が行われました。

 今回の講座では、導入部分で環境問題におけるシミュレーションの手順(複雑な現象の観察→重要要素の抽出→数理モデルの構築→シミュレーション)について紹介がありました。その後、環境問題の中でも主に医療系廃棄物排出量の将来予測について、前述の手順に沿って話がありました。
 医療系廃棄物は、一般家庭から生じる一般廃棄物、事業活動から生じる一般廃棄物及び産業廃棄物に大きく分類されますが、高齢者福祉施設などから発生する医療・福祉系の廃棄物は多様化・増加しているそうです。又、労働者不足による外国人労働力の流入という人口変化の状況にも着目し、先生の研究では日本全体及び地域別のシステムダイナミックスモデルを作成し、廃棄物発生量のシミュレーションを行ったそうです。その結果、2035年には高齢者福祉施設感染性廃棄物は2010年の約2.5倍に増加し、又、南関東地域の感染性廃棄物発生用が最も多い、などの結果が得られたとのことです。
 そのほか、先生の研究内容として、動物由来の医療廃棄物量の推移についての紹介や、マルチエージェントシミュレーションを用いた消費者の環境配慮製品購買行動に関する研究の紹介がありました。
 当日は43名の方に参加いただき、アンケート結果では、「大変、おもしろい講義でした。」、「シミュレーションの役割がはっきりわかった。」等のご意見をいただきました。

 なお、次回は11月22日(木)に第3回目「構造物の静的・動的非線形シミュレーション」を開催します。引き続き受講申込を受付中ですので、お気軽にご参加ください。

※第6回までの講座の詳細は、一般公開講座チラシ(PDF、583KB)をご参照ください。
 (ご希望の1回のみの申込みも可能です。)

 豊橋技術科学大学では、11月10日(土)、『次世代ロボット創出プロジェクト(平成24年度あいち理数教育推進事業「知の探究講座」)』の講座別発表会を開催しました。
 「知の探究講座」は、愛知県内の高校生に先進的な理数教育を受ける機会を与え、優れた人材を育成することを目的とした事業で、県内の6大学において実施されています。本学では人間・ロボット共生リサーチセンターの教員及び大学院生等が講師となり、さまざまなロボット技術について、実際に見たり、触れたり、作ってみながら学ぶ内容となっており、8月上旬からこれまでに7回行われてきました。

 第8回目となる今回の講座では、情報・知能工学系 岡田美智男教授と同研究室の大学院生らの指導のもと、午前中はこれまでの7回の講座のまとめをグループごとに行いました。生徒達はパソコンを使って、今回の講座の目的・狙いや、どのような流れで学習したかを含めて、プレゼンテーション用のスライドにまとめていきました。様々なロボットを見たり触れたりした時の驚きや気づき、ロボットの新たな機能やデザインのアイデアを考えたときの苦労などを、ただ単に書き込むだけでなく、写真なども使いながら効果的に見せる編集方法についても学びながらまとめていきました。

 午後からはそれぞれのグループから成果発表が行われ、プレゼンテーションの効果的な方法についても学びました。その後、次回の全体発表会に向けて、3グループの内容を一つの成果発表資料に凝縮し、各グループの代表者1名からなる計3名の発表者を決めて、リハーサルを行いました。

 知の探究講座全体発表会は、来年1月12日(土)に名古屋市にて開催予定で、県内の6大学で実施されてきた講座の成果を一堂に会してプレゼンテーションが行われます。

 11月10日(土)、豊橋市民センターにおいて、愛知県立時習館高校の英語学習プログラム「英語村」が開催され、本学からは留学生30名以上が参加して、高校生と英会話を行いました。
 この「英語村」は、文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環として開催されている行事で、時習館高校の2年生92名とコアSSH参加校の生徒48名の計140名が、各班4~5名に分かれて留学生と英語だけでFree Conversationを行うものです。
 留学生は、母国の話、研究・学業の話、個人的な趣味の話、文化の違いについての話など自由に話をして、それに対して各班の生徒が積極的に質問したり、時には談笑しながら、英語だけの一日を過ごしました。留学生と記念撮影する班もあるなど、英会話を楽しんでいる様子がうかがえました。

平成24年度一般公開講座(第1回)を開催しました。

 豊橋技術科学大学では、11月9日(金)、平成24年度一般公開講座「シミュレーションで新しい世界を見、そして、予測する」の第1回目を開催しました。全6回の講座の初回となる今回は、機械工学系 飯田明由教授から「自動車周りの流れのシミュレーション」についての講義が行われました。

 自動車の燃費性能を向上させたり、風切り音などの空力騒音を抑制するためには、走行時の空気抵抗を少なくすることが必要不可欠になります。
 しかし自動車周りの空気の流れを、実際に風洞実験等によって確かめるためには、大規模な実験設備を用意するなど、莫大なコストがかかります。そのためコンピューター・シミュレーションにより空気の流れを解析することが求められており、本学の飯田教授のグループは他の大学や企業と共同で研究開発に取り組んでいるとのことでした。

 今回の講座では、なぜ空気抵抗が生じるのかといった空気力学の基礎から、コンピューター解析の手法まで、わかりやすく解説が行われました。
 シミュレーションの際には、自動車周りを細かなメッシュに区切り、メッシュのセルごとに計算を行うそうですが、自動車1台あたりのメッシュの交差点は約800億点もの数になり、それに対して膨大な計算量が発生します。日本が誇る最先端のスーパーコンピューター「京」を使うことにより自動車1台を丸ごとシミュレーションすることが可能となりつつありますが、実際の開発現場では、自動車全体を解析することはまだ難しく、現在は部分的な解析を行うのが一般的ということでした。次世代のスーパーコンピューター(エクサ・コンピューター)が実現されれば、熱や音などの自動車に関する複合的な物理現象を自動車一台丸ごとシミュレーションができると期待されています。

 今回の講座には40名の方に参加いただき、講義後には聴講者から技術的に踏み込んだ質問が幾つか寄せられ、終了後も講師に個別に質問される方もいらっしゃるなど盛況でした。

 なお、次回は11月16日(金)に第2回目「環境問題のシミュレーション」を開催します。引き続き受講申込を受付中ですので、お気軽にご参加ください。

※第6回までの講座の詳細は、一般公開講座チラシ(PDF、583KB)をご参照ください。
 (ご希望の1回のみの申込みも可能です。)

平成24年度「Jr.サイエンス講座」を開催しました。

 10月20日(土)~21日(日)に、豊橋市視聴覚教育センターにおいて、豊橋市教育委員会主催「第27回子どものための科学展」が開催され4,760名が訪れました。本学からは「Jr.サイエンス講座」としてブースを出展しました。

 この講座は豊橋市内の小・中学生を対象に、科学技術に対する興味・関心を高め、理解を深めることを目的として平成15年度より実施しており、今年度は「光の実験」、「究極のエコエネルギー?電気をつくる微生物」、「ロボットの操作体験」、「電子和算博物館」の4コーナーを出展しました。

写真1  「光の実験」のコーナーでは、”色が変わるステンドグラス”を作ったりして、光に秘められた不思議な性質を体験しました。

 

写真2  「究極のエコエネルギー?電気をつくる微生物」のコーナーでは、電流を生産する微生物を用いた微生物燃料電池を作ったり、顕微鏡を用いて電池内の微生物を観察しました。

 

写真3  「ロボットの操作体験」コーナーでは、NHK大学ロボコンに出場している豊橋技術科学大学ロボコン同好会の部員が作成したミニロボットの操縦体験を行いました。また、実際にNHKロボコンに出場したロボットの展示・説明を行いました。

 

写真4  「電子和算博物館」コーナーでは、コンピューターを使って日本伝統の和算で遊び、算数の図形や数字の不思議な関係を目で確かめました。(※和算とは日本で発展した魔方陣や算数の図形の問題です。)

 Jr.サイエンス講座には2日間で500名以上の方(保護者含む)にお越しいただき、子供たちは実際に目で見て、手に触れることにより、科学の不思議や技術を楽しみながら学ぶことができました。

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