2012年8月アーカイブ

 8月29日に電気・電子情報工学系の滝川浩史教授と田上英人助教は愛知県立知立東高校の生徒10名を迎え、「再生可能なエネルギー利用」についての模擬授業と「最新型太陽電池パネル」を用いた実験を行いました。

 文部科学省「原子力・エネルギーに関する教育支援事業」の一環として行われたもので、午前中の模擬授業では、滝川教授が生徒に対し、エネルギーの現状や課題、自然エネルギーの代表である太陽光発電技術などについて概要を説明しました。

 午後の実験では、自然エネルギー実験棟の屋上で、実際の太陽電池パネルを用いて、太陽電池の利用を理解する実験を行いました。発電効率などを比較するため、いろいろな種類の太陽電池を用い、その一つとして、最新型のCIS(銅-インジウム-セレン)系化合物薄膜太陽電池(ソーラーフロンティア社製、出力90 W)パネルを用いました。これは昭和シェルグループの株式会社清川商店(豊川市)から、「最新の太陽電池に触れる教育研究に利用してほしい」ということで、今年5月に滝川研究室に寄贈されたものです。

 実験では、太陽電池パネルの設置角度や方位を変えたり、パネルの一部を覆って影を模擬し、影のつき方によって出力がどのように変化するかなどを計測しました。生徒らは、その結果から、太陽電池パネルはどの角度、どの方位に配置すべきか、太陽電池の種類によって影の影響に差が出ることなどを学びました。

【研究基盤センター】 平成24年度 オープンキャンパス報告

愛知県立成章高校の生徒が本学で「遺伝子組み換え」について学びました。

 8月27日~28日まで、愛知県立成章高等学校普通科の1~2年生19名を受け入れて本学環境・生命工学系 菊池洋教授による授業「遺伝子組換え体験講座 ~緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を大腸菌に導入しよう~」が開催されました。

 この企画は、(独)科学技術振興機構(JST)が児童生徒の科学技術、理科、数学に対する興味・関心と知的探究心の育成等を目的として実施する「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)」に成章高校が採択され、本学と連携して開催したものです。

 生徒19名はガイダンスの後、実験室に移動して、普段使用したことがない器具や試薬について実物を見ながら詳しく説明を受けました。その後、28日(火)まで、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を大腸菌に導入する実験や「先端農業・バイオリサーチセンター」の見学等が行われました。 

写真1
菊池教授、坂井技術専門職員によるガイダンス

写真2
ピペットマンの使用方法について研究室の大学院生から説明を受ける様子

平成24年度豊橋技術科学大学TUTラボ 成果発表会を開催しました。

 8月21日~8月24日の4日間、高校生を対象にした実験実習講座「平成24年度豊橋技術科学大学TUTラボ(愛知県立時習館高等学校が主催する時習館SSH「地域SS豊橋技術科学大学講座」を含む)」を開催し、最終日の24日に成果発表会を開催しました。

 成果発表会の前半のセッションでは、座長の本学社会連携推進本部 岩佐精二 本部長補佐(環境・生命工学系 教授)の進行で、受講した講座ごとに4グループ6名が実習成果について発表しました。会場に詰めかけた本学の教員や学生からは、発表者に対して感想や質問が寄せられ、生徒達は緊張しながらも自分の言葉で回答を行いました。

 後半は社会連携推進本部 中野裕美 本部長補佐(研究基盤センター 准教授)に座長が交代し、3グループ6名が発表しました。生徒たちはこの頃には徐々に会場の雰囲気にも慣れ、座長に促されると質問側にも参加し、生徒同士の掛け合いの場面も見受けられました。

 生徒が実習中に作成した発表スライドは、担当講師陣の指導もあり、短時間での作成とは思えないほど内容も体裁もうまく作成されており、また、生徒それぞれの発表も堂々としたもので、最後にご挨拶いただいた時習館高校の木藤教頭も感心されていました。

 成果発表会後の閉講式では、講座に参加した生徒に修了証書が授与され、生徒の皆さんの表情は達成感と充実感で晴れ晴れとしていました。

写真1
質疑応答の様子

写真2
修了証書の授与の様子

平成24年度豊橋技術科学大学TUTラボが始まりました。

 8月21日~8月24日までの4日間、高校生を対象にした実験実習講座「平成24年度豊橋技術科学大学TUTラボ(愛知県立時習館高等学校が主催する時習館SSH「地域SS豊橋技術科学大学講座」を含む)」を開催しています。

 この講座は、本学と高等学校の連携事業の一つとして実施しているもので、高校生が本学における高度な技術・科学分野に関する実験実習を体験することにより、本学または工学部に対する理解を深めていただくとともに、研究に魅力を感じていただくことを目的としています。今回は、愛知県内の6校9名と静岡県内の2校3名の高校生が参加しています。

 初日、午前中の開講式では、本学社会連携推進本部 岩佐精二 本部長補佐(環境・生命工学系 教授)から、挨拶と大学概要についての紹介を行いました。大学紹介では、本学の特色や大学生活などについて説明があり、特に今回の参加者は、自らの意志で当講座を希望してこられた方ばかりで、岩佐本部長補佐から「そのような積極性のある皆さんであれば大学生活もきっと充実したものになる」とのエールが送られました。

 その後、エレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)の施設見学が行われ、本学が誇る世界でも例を見ない「LSI工場」を始め、普段はなかなか見学できない施設まで実際に入って、直接、研究者から説明を受けました。

 午後からは合計12名の高校生が、それぞれ希望した7つのテーマの講座に分かれて、本学の教員や大学院生等の講師による実験実習を受講しています。高校では体験できないような内容で、なおかつ高校生にとってはハイレベルな内容も一部含むため、講師陣は入念に準備した教材を使って丁寧な説明を行っています。一方、受講する側の高校生も皆、初めての体験で戸惑いもありますが奮闘している様子がうかがえます。

 最終日となる24日(金)午後には、成果発表会が計画されており、今回参加中の高校生全員が実習成果についてプレゼンテーションを行う予定です。

実施テーマ名と講師
実施テーマ名 講師
「対流による熱の伝わりを知る」 機械工学系 教授 北村健三、助教 光石暁彦
「コンデンサでつくる人工筋肉」 電気・電子情報工学系 教授 長尾 雅行、助教 栗本宗明
「粒子の複合化によるナノ・マイクロデザイン」 電気・電子情報工学系 教授 松田厚範、助教 河村剛
 「薬を創るための分子シミュレーション入門」 情報・知能工学系 准教授 後藤仁志
 「ハイダイナミックレンジ画像の生成」 情報・知能工学系 助教 神納貴生
「水熱反応を用いた廃棄物のアップグレードリサイクル技術の開発と評価」 環境・生命工学系 准教授 大門裕之
「地理情報システムを用いて人口減少・少子高齢化を考える」 建築・都市システム学系 教授 大貝 彰

写真1
開講式の様子

写真2
EIIRISの施設見学の様子

 8月17日に愛知県立西尾高等学校の2年生・3年生7人が本学に訪れ、エレクトロニクス先端融合研究所鯉田孝和テニュアトラック准教授による授業「錯視と順応で視覚神経メカニズムに迫る」を受講しました。

 この企画は、(独)科学技術振興機構(JST)が児童生徒の科学技術、理科、数学に対する興味・関心と知的探究心の育成等を目的として実施する「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)」に西尾高校が採択され、本学と連携して開催したものです。

 午前中の授業では、テレビ番組などでも時折、話題として取り上げられている“錯視(視覚が引き起こす錯覚)”や”残効”について、右図のようないくつかの図を見ながら、実際の色や大きさ、動き、形が異なるように認識されることを、デモを通じて体験しました。そして錯視には“視覚神経メカニズム”が大きく関与しており、網膜から入った視覚情報が視神経から脳へと伝達・処理される過程で、外界をより正しく効率よく理解するための働きがあることを学びました。

  高校生7名は、講義が始まるまでは緊張の面持ちでしたが、このような不思議な現象と脳の働きに触れ、目付きが変わっていたようでした。

 次に、午後にかけての授業では実習を中心に行いました。大学院生のサポートを受けながら7名の生徒それぞれが方眼紙を使って目の盲点のマッピングを行い、目の網膜上には光を感じることができない場所があることを確かめました。盲点領域の内側に絵を描いて観察すると、絵が完全に見えなくなるだけでなく、方眼紙の模様が盲点領域にも一様に広がっているかのように知覚されることを確かめました。

 また、左右2つの縞模様による順応刺激後のコントラスト感度の変化を、何パターンもテストしながらデータを記録し統計を取ることで、縞模様の細かさによって神経細胞のコントラストの感度が異なることを実習しました。また、実習で得られたデータが“科学的に確かである”と言えるためには、どの程度、多くの統計を取るべきか等、研究を進める上での“心得”も含めて学べる1日となりました。

 講義後にはエレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)の施設見学も行われ、見学後には参加した生徒から、授業の内容や施設についての質問のほか、鯉田テニュアトラック准教授がこのような研究に興味を持った理由や、高校で学んでいることを大学でどう生かすことができるかなど、ざっくばらんに質問が出され、高校では味わえない経験に刺激を受けただけでなく、大学生活へのイメージを膨らませているようでした。

 豊橋技術科学大学では、今後も高等学校と連携した取り組みを進めていきます。

写真1
Adelson (MIT)図:錯視の例
(AとBのタイルのRGB値は同じ)

写真2
左の点を右眼単眼で見たときの盲点の広がり。実験では用紙を180度回転させ、方眼紙の各点 を見た時に黒点が見えるかどうかを○×で記録しました。

写真3
コントラスト感度の細かさ特性を示す絵。縞模様の白黒の強さは横方向に一定だが一つ山の輪郭(ピンクの点線)が感じられる。これは視覚の特性である。

写真4
空間周波数を弁別する実験に用いたテスト画像

写真5
錯視を体験している様子

写真6
施設見学後に質問する生徒たち

「知の探究講座」は、自然科学や情報科学など特定分野に興味・関心と優れた資質をもつ愛知県内の高校生に、先進的な理数教育を受ける機会を与え、科学技術創造立国を目指す我が国を支える優れた人材を育成することを目的とした事業で、県内の6大学において高校生を受け入れて実施するものです。

本学では、「次世代ロボット創出プロジェクト」として、今年で6年目の実施となります。人間・ロボット共生リサーチセンターの教員及び大学院生等が講師となり、さまざまなロボット技術について、実際に見たり、触れたり、あるいは作ってみながら学ぶ内容となっており、8月7日(火)から11月10日(土)までに全8日間行われます。

最初の4日間(8月7日(火)~8月10日(金))は、情報・知能工学系 岡田美智男教授及び大学院生等が講師となり、ロボットの研究動向について学んだ後、お掃除ロボットをベースに、そこにどんな機能を追加していったら便利になるか、どんな形にしたら親しみやすいかなど、受講生自らがアイデアを膨らませて、それを実際に動く形に近づけていく実習を行っています。参加した高校生9名は、最初は緊張気味でしたが、徐々に打ち解けて、それぞれが思い描くロボットについて議論し合うなど、真剣に取り組んでいます。写真は、今回の受講者と講師のアドバイス、サポートを受けて受講生が作成したロボットです。

なお、今後の日程は、次のとおりです。

日程 講座名
8月24日(金) 「ロボットの眼について学ぶ」
情報・知能工学系 三浦 純 教授
9月29日(土) 「ロボットアームを動かしてみよう」
総合教育院 鈴木新一教授
機械工学系 内山直樹准教授、佐野滋則助教
10月20日(土) 「人に優しいロボットの動き」
機械工学系 寺嶋一彦教授、三好孝典准教授
11月10日(土) 講座別発表会(プロジェクトの成果を発表します。)
情報・知能工学系 岡田美智男教授

第32回集積回路技術講習会は盛況のうちに終了いたしました。

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